スマトラカレーの共栄堂

お店情報

最寄駅:神保町駅
URL :http://www.kyoueidoo.com/

レポート

 
神保町といえば、「本」の街であるとともに、カレーのメッカです。
共栄堂はカレーの街、神保町の中でも最も古く、歴史と人気を兼ね備えた名店です。
今回はいつも元気な接客が印象的な三代目店主の宮川さんにお話を伺いました。

共栄堂の創業は古く、大正13年。明治の末に、貿易商として活躍し、
当時としては斬新であったカレー店を経営していた伊藤友治郎氏より、
初代店主がスマトラ島のカレーの作り方を教わり、
日本人好みにアレンジしたのが共栄堂の始まりです。

当初は洋食屋さんで様々なメニューがあったのですが、
時代の流れとともに看板メニューであるカレーが主役になり、
宮川さんが引き継がれ、今もその味を守られております。

共栄堂カレーの特徴は独特な黒濃色のルーの「色」と食べた後に
口に広がるほろ苦いような「香ばしさ」です。
この色と香りを出すために、スパイスを特別に調合し、
じっくり炒め、形がなくなるまで野菜と肉を何時間も煮込みます。
その後、熱をさまし、冷蔵庫で冷やした後、ブイヨンを投入します。
このように手間ひまかけて作られており、ルーが出来上がるまで丸2日間かかります。
食前に出される熱々のポタージュスープとカレーと交互に口にすると、より美味しく食べられます。
また、小麦粉を使わず野菜をベースにとろみを出しているため、
とろみがあるのに食後があっさりしていて、またすぐ食べたくなる、やみつきになりそうな味です。
メニューはポークカレーが定番ですが、それぞれのカレーによってルーを変えているので、
ぜひいろんなメニューを楽しんで頂きたいと思います。

共栄堂のもうひとつの目玉は焼きりんごです。甘酸っぱい紅玉を使用した、
創業当初からの人気メニューで、カレーの辛さが焼きりんごの甘さをさらにひきたたせています。
りんご1個をまるごと使っており、かなりボリュームがあるので、
カレーを食べ終えた後に何人かでつつくのも良いかもしれません。

共栄堂の人気の秘密はカレーの味もさることながら、「居心地の良さ」にもあります。
気持ちのよいあいさつ、スピード感のある配膳、温かい空間作り、
すべてにお客様に心地よく食べていただきたいという、「おもてなしの心」が感じられます。
これは宮川さんがもともとフランス料理の料理人ということもあり、
厨房とお客様を繋ぐサービスが徹底されているからではないでしょうか。
初代店主が、お客様と共(とも)に栄えるという想いでと名づけた、『共栄堂』。
そんな共栄堂とともに、本を読みながらカレーを食べるスタイルが浸透し、
街の発展とともにカレーの街に変身しました。「神保町は今でこそカレーで有名になっているけれど、
あくまで「本」の街。われわれはあくまで「本」のおこぼれをもらっているだけです。」
というダンディな店主の謙虚な言葉が印象的でしたが、
共栄堂の「カレー」目当てに来たお客様が帰りに「本」を買っていくという光景もあるはずです。


レポート:よっすい
神保町